株式投資−初心者卒業講座 口座開設から始めよう! 株式の注文に関して

本日 

・注文の仕方

まず株取引を行うには、「いくら」で「何株」を「買う」「売る」を決めないといけません。「いくら」でという点は、金額をいくらで売買したいと決めて取引する「指値注文」と、いくらでも良いから取引したいといった場合に行う「成行注文」とがあります。指値と成行に付いては下記で紹介します。

次に「何株」ですが単元株が決まっているので、それに応じた倍数をかけて入力しないと注文できません。
今回は単位が1,000株となっているので1,500株などと言う単位では買うことが出来ません。

最後に「買う」「売る」ですが、これを間違うと大変な事になります、あせってクリックすると間違う人もいるようです(笑)注意しましょう。(1秒を争うデイトレードでは単位・金額も間違う可能性あります。また、最近では証券会社の社員が注文金額と株数を間違え誤発注したジェイコムショックと言われる有名な事件があります)

「買う」「売る」以外にも信用口座を開いている人は「信用買い」「信用返済売り」「信用売り」「信用返済買い」「現引き」「現渡し」などの項目が増えてきます。

・板情報と指値・成行注文

株価は基本的には下のような図で表示されます。買いそうな株の枚数や売りそうな枚数を表示するので、この図のことを気配情報とか、板情報とも言います。
(元々は黒板で売買を書いたり消したりを繰り返していたので、板情報というらしいです)
ちなみに、紛らわしいのですが、横の列を板と言います。
したの図で言えば504円に4,000株の売り板、500円に9,000株の買い板という風に言います。

売買単位 1,000
現在値 504

売気配株数 気配値 買気配株数
1,000 509  
1,000 508  
1,000 507  
1,000 506  
4,000 504  
    500 9,000
  499 10,000
  498 9,000
  497 3,000
  496 7,000

上の板情報では504円の板に4,000株売りたい人、500円の板に9,000株買いたい人がいます。
これは常にこの状態ではありません、常に流動的に変化していきます。
そしてこの瞬間は504円でしか買えないし、500円でしか売れないと言うことです。

例えば500円から上昇している株式があるとします。
さていくらで買おうか悩んでいるうちに504円まで上がってきました。

自分としては、どうしても欲しいけど507円までしか出せないと言った場合には507円で「指値注文」をします。
明日も上がりつづけるだろうし、いくらでも良いから欲しいといった場合には「成り行き注文」します。
この場合ここで見えている509円以上で買ってしまう可能性もあります。
もし注文する寸前に、501円で売りたいという人がいれば「指値注文」でも「成り行き注文」でも501円で買えます。
ただし、「指値注文」と「成り行き注文」では取引の順番があって、成り行きが優先で指値がその次となります。
ちなみに、株は早い者勝ちで売買されます。株を買う場合、注文の早い人優先で、その中で成り行き優先、その次指値と言った感じで取引されます。

見せ板に注意(やってはいけません、悪質な場合は処罰されます)
見せ板とは、買う気も無いのに、また売る気も無いのに大量の注文を入れて多く買う人や売る人がいるように見せかけた、板の事を言います。(デイトレードじゃなければ余り期にする必要ないかも)
例えば、上の板情報を例にすると500円で株が買えたとします。
その後、499円に400,000株の買う気の無い注文をいれて、いかにも買いたい人が多くいるように見せかけ、板が厚いように見せかけるような行為を見せ板(掲示板などでは店板という隠語使われる事あります)をだすと言います。
反対にいずれ600円になるだろうから500円でもっと買いたいと言う場合に、504円に売る気も無い巨大な売り注文を出して、混乱に乗じて安く仕入れようとする場合も、見せ板を出す行為になります。
自分で見せ板を出すのはやってはいけませんが、他人が出した板が見せ板かどうかの判断は、見極めは難しいですが、徐々に慣れていくとなんとなく分るようになります。
惑わされないように頑張って慣れていきましょう。
手っ取り早く判断できるようになろうと思うのなら、同じ株を毎日ストーカーのように板を観察しているのが手っ取り早いです。

トータルで判断する事が大事
今回の場合は素直に見ると、504円以上の売り板が薄いのに対して、500円以下の買い板が厚いので需要が多いように見えます。見えますと言うのは、売りたい人は、価格が上がってきたら即座に注文を出すように待ち構えているかもしれません、板情報にの売り板が厚くなればなるほど価格が上昇しにくくなるので待機して売るチャンスをうかがっているかも知れませんし、買い手はこの板情報に出ているだけで全てかもしれません。従って、板情報だけで判断するわけには行かず、株の財務内容や株価に影響する材料やテクニカルチャートなどトータルで判断して、最後に板情報でどうするかを決めないといけません。

板情報では売り手と買い手の駆け引きが行われています、また企業によって値動きや板の厚さなど様々ですのでデイトレードでは慣れが必要です。長期保有を考えている方は、できれば安く買えたに越したことは無いのですが、それほど気にしなくても良いと思います。

・差金決済の注意

(同一銘柄の回転売買には注意が必要です)

同日(同一受渡日)における同一銘柄の同一資金による「買付→売却→買付」、または「売却→買付→売却」の取引は差金決済に該当します。法律で禁止されている行為なので注意しましょう。
差金決済に該当しそうな場合は、ネット注文では、注意が表示されるか買い注文or売り注文が出来ない事があるので注意してください。
ここでは、簡単な参考例だけ書いておきます。詳しくは、お使いの証券会社のホームページなどに詳しく説明が書いてあると思います。一度そこを注意して見て下さい。

(注:ここでは手数料は考慮していません。)

問題なく取引できる例。
・100万円口座にあります。朝一にA社の株を100万で買い、同日に120万で売りました。

・100万円口座にあります。朝一にA社の株を100万で買い、同日に120万で売りました。
  その後同じ日にB社の株を120万で買い、同日に130万で売りました。
  また、同じ日にC社の株を130万で買い、同日に140万で売りました。
  この場合別銘柄を取引しているのでOKです。

・500万円口座にあります。朝一にA社の株を100万で買い、同日に120万で売りました。その後A社の株が100万になったので買い、また120万円になったので売りました。
この場合、1回目の取引120万円とは別に資金があるのでOKとなります。

・A証券会社を使ってC社の株を100万で買い、同日に120万で売り、その後同じ日にB証券会社を使ってC社の株を100万で買い、同日に120万で売りをしても、同一資金ではないのでOKです。

・口座は0円で以前から保有の100万で取得したA社の株があります、今日120万で売りました。

・口座は0円で以前から保有の100万で取得したA社の株があります、今日120万で売りました。
  その後同じ日にA社の株が105万になったので買いました。

差金決済にあたる例
・100万円口座にあります。朝一にA社の株を100万で買い、同日に120万で売りました。その後A社の株が105万になったので買う事は出来ません。

・100万円口座にあります。朝一にA社の株を100万で買い、同日に120万で売りました。
  その後同じ日にB社の株を120万で買い、同日に130万で売りました。
  また、同じ日にA社の株を130万で買う事は出来ません。

・口座は0円で以前から保有の100万で取得したA社の株があります、今日120万で売りました。
  その後同じ日にA社の株が105万になったので買いました。しかしその後90万円まで下がってきたので、売って損失拡大を防ごうと思っても出来ません。